マジ?

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あれから1週間が過ぎた。 チョコの後押しを受けての私の15年ぶりの再告白。 さすがに15年分の思いというわけではないけど。 そうじゃない、時間の問題じゃない。 今の私の気持ちを言いたかった、知って欲しかった。 翔大の反応は、なんかうまいことはぐらかされたみたいで、 今までと変わらない態度だった。 翌日メールが来たけど。 「しばらくバタバタしてるからまた連絡する。」 と、それだけ。 そのあとは私からも連絡し難くてなにも連絡できていない。 自分では、今の気持ちをちゃんと言えた、 伝えることができた。 だから翔大の気持ちは聞けなかったけど 拒否されたわけじゃない。 今はそれでいい。 そう自分に言い聞かせていた。 それでも… やっぱり応えて欲しかった。 仕事中はそれなりに忙しい。 まだまだ下っ端な私は、余計なことを考えている余裕がないのが救いだ。 でも仕事が終わって帰宅する時間になると、どうしてもいろんなことを考えてしまう。 もっと近くにいたいのに。 中学の頃は女の子として見てもらえなかった。 そうあの時もそうだった。 告白のあとでも翔大はいつもと同じように接してくれた。 そのときはそれが救いになった。 じゃぁ、今は? もう中学生の女の子じゃない。 私は翔大にとってどんな存在? ただの飲み友達? ただの腐れ縁? 異性として見てはくれないの? 考えまいとしても気が付くと同じことを考えている。 たまに思う。 近くにいるのにどうしても届かない、貴方が遠すぎて。 改札を抜けいつもの本屋でファッション誌のムック本を見ていたら、 聞きなれた笑い声がした。 (あ、翔大!) ところが振り向くと、うしろのコーナーで綺麗な女の人と2人で楽しそうに同じ雑誌を見ている翔大がいた。
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