マジ?

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「ちーあきっ。」 ビックリして振り向くと つついてきたのは聡美だった。 「あ、やっぱり。 あんたこんなところで何を… ちょっと、千秋どうしたの?」 もう泣き止んではいたけど化粧は落ち、目は真っ赤でうつろ。 おまけに鼻水まで出ていた。 「べ、べつになんでもない。」 「なんでもなくないでしょ。 いいからこっちきて あたしの車乗って。」 抵抗する気力も無く聡美の車の助手席に座らされた。 「千秋、あんた一人?」 そう言いながらティッシュを箱ごと渡された。 「え? うん。」 「ごみは足元のコンビニ袋ね。 じゃぁ車出すよ。」 そういうと聡美はコンビニの駐車場から車を発進させた。 5分位無言で車に乗っていたら少し落ち着いた。 「何年ぶりだろね、千秋。」 「うん。一昨年の中学の同窓会以来だね。」 聡美とは小、中、高と一緒に通った仲だ。 高校出てからはなんとなく疎遠になっていたけど。 「なんだか知らないけど、話したくなったら言ってよね。 ちゃんと聞いてあげるからさ。」 「大丈夫。なんでもないから。」 「そう。 あ、ねぇ、聞いてる?上杉君のこと。 上杉克夫 うえちん。」 「え?」 「うえちんね、3月末に結婚するんだよ。」 「ふーん。」 「しかも、相手がなんと、 あたしの美容室の由美先輩。 あたしたちの4つ上なのよ。」 「あねさん女房なんだ。」 「そう、でね あたしが由美先輩に二次会の幹事頼まれて、 で、もう1人の幹事 誰だと思う?」 「うえちんの方? わかんない。」 「川中君よ、川中翔大。」 「翔大?」 ………聞いてない。 「そう翔大。 でね、おととい、打合せしようって電話したのよ。 でも、忙しいからまた日程調整して連絡くれることになったんだけど なんか、4月に、なんていうの? 部署の統廃合? それで転勤で引越しするらしいのよ。」 「ふーん。そうなんだ。」 ………うそ、 翔大が転勤で引っ越すの? 私、なんにも聞かされてない。 なんでそんなに大事なこと言ってくれないのよ。 やっぱり私なんかどうでもいいの。 でも、なんとか聡美の隣で泣くことはガマンできた。
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