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神威君がそう言うと…私の唇に神威君の唇が重ねられた。
深くて優しいキスに…私の心はチョコレートのように蕩けそうだった…。
唇が離れると…神威君は悪戯めいた顔で…
「……な?美味いだろ?」
…と、今度は神威君が私に訊いてきた。その瞬間、私の顔は一気に熱くなって…
「わ……わかんないよ…っ!
そんなの気にする余裕なんて…」
「じゃあもう一回」
「え!?ちょ、待っ……んっ!」
結局、自分が作ったチョコレートの味なんてわからなくて……
神威君は“わかるまで”と何度もキスをしてきた…。
神威君にキスされる度に、神威君の私に対する愛情が伝わってきて……あの時に廊下で話していた女の子達の会話で、不安になったことや、自分を卑下していた気持ちなんて…どうでもよくなってしまった。
私は神威君が好きで、神威君も私が好き…。それだけ分かっていれば…もう充分だ。
初めて好きな人と過ごすバレンタインデーは…甘くて蕩けそうなもので…それはまさにチョコレートそのものでした。
END
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