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「いつも彼氏らしいことなんてしないくせに…!!
どうせ、私のこと本当は恋愛対象として見てないんでしょ!?
“彼女”の名目が欲しかっただけなんでしょ!?
私とクゥの恋愛は…小さい頃にした“おままごと”と一緒だよ…!」
こんな風に言いたかったんじゃないのに…。
こんな風にクゥを責めるようなことを言いたいんじゃなかったはずなのに…。
広田に言われたこととかで気持ちが自分が思っている以上に昂まって…混乱していて…言葉と涙が止まらない…。
もう何もかもがグチャグチャだ…。
「こんなことなら…クゥと付き合わなければ良かった…!」
違う…!
本当はそんなこと思っていないのに…!!
どうして言葉が止まらないの…!?
「……“おままごと”とか“付き合わなければ良かった”とか…それ本気で言ってるの…?」
静かな声で問いかけてくるクゥに…今度は何も言えなくなってしまった…。
するとクゥは私の顔に手を伸ばし……私の涙を優しく拭った…。
「クゥ……?」
「ごめんね。僕、英里ちゃんに甘え過ぎてたみたいだね…」
「甘え……?」
「うん。英里ちゃんなら、僕のことを何でも分かってくれるって、勝手に思ってた。
わざわざ言葉にしなくても伝わってるはずだってさ…。
でも、言葉にしなきゃ分かんないこともあるよね」
「クゥ……」
「あのね、僕、英里ちゃんのこと好きだよ。ちゃんと恋愛感情として」
え……!?
「小さな頃から英里ちゃんのことがすごく好きでね、だから僕が“付き合おう”って言った時、英里ちゃんがOKしてくれた時、めちゃくちゃ嬉しかったんだよ。
あの時、ちゃんと“好き”って伝えてなきゃいけなかったよね、ごめん」
クゥが私のことを好き…?
そんなの……
「そんなの嘘…」
「えー…何でそんなこと言うのさ」
「だってクゥ…今まで何もしてこなかったじゃない…!
恋人らしいことは何も…!!」
「だってさ、僕らまだ中学生だよ?焦る必要なんてないじゃん」
「え……」
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