383人が本棚に入れています
本棚に追加
/68ページ
その後、もう少しで予鈴がなってしまうからと、私達は手を繋いで
教室へと向かった。
その最中……
「中学卒業ってことは…今六月だから…あと九ヶ月も先なんだー」
「九ヶ月なんてあっという間だよ~!これから進路とか受験があるからねー」
「進路って言えば…クゥって高校生になっても女装は続けるの?」
「もっちろん!って言いたいところだけど…身体の成長具合によるかなぁ。
成長して骨格が変わっちゃうと、似合わなくなってくるだろうし」
「そっか。多分そろそろ声変わりもして、顔付きも男らしくなっちゃうかもしれないもんね」
「僕が女装しなくなっても、英里ちゃんは僕のこと好きでいてくれる…?」
「は?え、そりゃもちろん。
ていうか、何でクゥはそんなに女装にこだわるの?」
「え?覚えてないの!?」
「はい?」
「僕がママの趣味じゃなく、自分から女装するようになったのは英里ちゃんがきっかけだよ?」
「え…えええぇぇぇぇぇ!?
う、嘘!?い、いつ!?どこで!?何で!?」
「……教えなーい。
自力で思い出してみてよ!」
「ちょ、ちょっとぉ!!
教えてよー!!ねぇ、クゥ!!」
九年前……
【ちょっと!いつまで泣いてんの!?アイツらなら追っ払ってあげたでしょ!!】
【だ、だって…!みんな、ボクのこと変だって…!!
男が女のお洋服着るのは気持ち悪いって笑うんだもん…!!】
【変じゃないよ!!
クゥちゃんはかわいいよ!!
エリよりも女の子のお洋服似合ってるもん!!
エリ、かわいいの大好き!!】
【でも…このままじゃ、ボクずっとみんなにイジメられちゃう…】
【そんなの、エリがみーんな やっつけてあげる!】
【ほ、ほんと…?いいの…?】
【うん!だってエリ、かわいいクゥちゃんのこと大好きだもん!
だからクゥちゃんはいつまでも かわいくいてね!!】
END
最初のコメントを投稿しよう!