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「ただいま……」 お盆休みに帰って以来、約4ヶ月ぶりの実家。 元カレと住んでいたマンションからは、電車と歩きを含めて1時間の距離。 もともと、カレシが住んでいたマンションに私が転がり込む形で同棲を始めたので、別れてしまった今は、実家に戻るしかない。 「……お帰り、ひなた」 少し疲れたような顔をしたお母さんが、台所から出てきた。 呆れたような、ため息をひとつ。 カレシと同棲を始めるときも、似たようなため息をつかれたのを思い出した。 お父さんもお母さんも、私達の同棲には反対だった。 結婚もしてない男女が一緒に住むなんて非常識だと言われたから、いずれは結婚するからいいのだと家を飛び出した。 その結果がこれ。 なんて惨めなんだ。 お母さんは、元カレのことや、別れてしまったことについては特に何も言ってこなかった。 「ひなたの部屋のベッド……マットレスと布団、干しておいたから。 あと、エアコン調子悪いみたいよ。また機会があれば、電気屋さんにみてもらいなさい」 「………はい」 まるで業務連絡のような会話をして、私は逃げるように自室に向かった。 正直、お互い何を話せばいいのかわからなかったのだ。 ……お盆休み。 カレシと一緒にここに来たときは、みんな笑顔だった。 『そろそろ身を固めたら?』という母に、カレシは照れ臭そうにうなずいていた。 …………ああ! もう!! それがどうしてこんなことに。
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