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部屋に入ると、とりあえず荷物を端に置いて、ベッドにダイブ。
疲れ果てていて、何もする気が起きなかった。
「…………はあ」
カレシとは、友達がセッティングした合コンで知り合った。
何となく気が合って、その場で番号を交換。
友達を交えたグループや、そのうち2人きりで何度か遊びに行くようになって、
そして3年前のクリスマスに、正式に交際を申し込まれた。
ちょっと頼りないけど優しくて、一緒にいると落ち着いて楽で……
それに、つり目なところが高校時代に付き合っていた男の子に似ていて、惹かれた。
確かに付き合って3年になって、少し倦怠期っていうか、マンネリっていうか、ときめきのようなものはなくなっていたと思う。
ぶっちゃけ、夜の行為の頻度もかなり減ってたし。
だけど、恋人なんてそんなもんだと思ってたし、ときめきの代わりに安定があって、特に心配なんていらないと信じていた。
…………それが
ちょっとずつ、カレシに感じた違和感。
帰るのが遅い日が増えて
休みの日に、1人で出掛けて行ったりして
2人でいても、携帯をチラチラ気にしたりするようになって
でも、大丈夫だと思っていた。
だから、いけないことだとはわかっていたけど、カレシの風呂中にこっそりと携帯を見てしまった。
やっぱり大丈夫だったと安心したくて。
……それは………
見事に裏切られることになるのだけれど。
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