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――1月8日 AM,9:50――
とある大型ショッピングモールの“西ゲート”という場所に一人の男が居る。
その格好は下は黒のジーパン、上は白を基調とした服に黒い上着を重ねたというシンプルなモノクロコーデであった。
その可も無く、かといって不可も無い容貌の男は右手に握る携帯電話をちらちらと見ては、側にある自動ドアにたまに目を向ける。
少し、そわそわとしているのか、たちひざの格好をしている彼の膝の重心は右へ左へ移り変わっていく。
……それから五分ほど彼の膝が重心移動をしていると、彼にとってお望みの人が現れたのか、彼は膝の重心移動をやめ、ぎこちない足取りでドアの方に向かう。
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