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――1月8日―一
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まずこの交換日記をするに当たってすごい心配なことがある。
それは、俺が書き出しで大丈夫か?
切実な疑問を抱いているけど……まぁいっか。いや、いいんだ、大丈夫! え、自己満だって? はい。
そんなことは置いといて、今日はありがとね!
映画も楽しかったし、一緒にご飯食べたり、二人だけでいっぱい話したり……
とりあえず書ききれないほど、新しい発見がいっぱいあったよ!
少し、いや、たま~に。たまにだよ! たまに! ……えっ。しつこいって? はい。
まぁ、やっぱりまだ少しだけ緊張しちゃうな。
……でもそれは、ちょっとずつ解決します!
今日言ったことによって、君を驚かせちゃってごめんね。
どちらにせよ、返事は落ち着いたらで大丈夫です!
ちょっぴり待ち遠しいのは秘密ね。
俺は君の事大好きだよ!
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そこには不格好で、太く書かれた文字が並んでいる。
“大好きだよ”と言う言葉を書くのに緊張したのか、それとも戸惑ったのか。消ゴムで消された、消される前の“それ”が僅かに残っていた。
しかし、それはやはり緊張であることを示すように、そのページの右下には、お互い身近な存在のようで実はまだ確立はしていない。
そのような曖昧な距離感を示唆するような、ぎこちない笑顔でピースサインで写る、二人の男女のプリクラが貼ってある。
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