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一歩足を踏み入れれば、そこは別世界と言っていいほど静かな場所で、石畳を歩きながら素晴らしい庭園が見渡せる。
ドキドキしながら玄関に入ると、淡いピンクの着物姿の女将さんらしい方が、
『おこしやす』
と笑顔でお出迎えしてくれ、ここにいる自分が場違いのように思えてくる。
「お世話になります。
この度は、急な予約にも関わらず、部屋を用意していただいてありがとうございました」
「いえいえ、御部屋の方も丁度空いておりましたし、お気になさらないで下さい」
しずしずと部屋を案内する後ろ姿がまた綺麗で、見惚れてしまう。
「こちらの御部屋でございます」
「うわぁ…素敵…」
部屋に入りすぐ、目に飛び込んできた景色に、思わずうっとりしてしまう。
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