僕とアナタと距離と壁

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それから僕は自分に正直な小説を書くようになった。 目標が『誰かに夢を与える綺麗な小説』から 『誰かからの共感を得られ、それが慰めに繋がる小説』に変わった。 どんなに辛い今があって絶望の中にいたとしても、それが自分だけだと嘆かないで欲しいと伝えたくなったのだ。 そう思うようになったのは先輩の影響だ。 彼に救われて誰かの助けになりたいと思うようになった。 そして彼が僕に与えた影響はそれだけではなかったー…。 何故かあの日から先輩のことがなんとなく気になりだした。 気が付くといつも彼のことが脳裏をよぎる。 廊下で見かけると思わず駆け寄り出したくなるし、部室以外ですれ違って声を掛けられると自然と顔が綻んだ。 最初は憧れの人だからだと思っていた。 でもそれは…違っていた…
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