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「よぉ姉ちゃん。乳でけーな」
セクハラ紛いの挨拶で赤頭巾にちょっかいを出す。赤頭巾はアリスを睨んだまま動かない。
「揉んでいい?それ揉んでいいの、ねぇ?」
アリスは手をわきわきさせて、赤頭巾の顔面に突き出す。
赤頭巾は依然として表情が変わらない。
「黙ってるってこたぁ、オッケーなんだ?じゃ、いっただっきまー」
す、まで言い終わる前に、アリスの下顎は、こめかみの下から綺麗に吹き飛んで、ゴミ箱にシュートされた。
「…私を怒らせた…お前が悪い」
いつの間にかサーベルを抜いていた赤頭巾が、しわがれた声で言った。
アリスはしばらく呆然として自分の傷口を撫でていたが、急に、ふと気がついたようにゴミ箱に向かい、中から自分の顎を拾い上げ、元の位置に添えた。
そして赤頭巾の方を振り返ると、片手で顎を支え、もう片方の手で裂け目をなぞった。
まるで、ジッパーが閉まるように、当然の事のように、アリスの顔に刻まれた緋が消えていく。最後にニヤリ、と笑うと、
「神女パワー」
と一言投げつけて再び席に着いた
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