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「さぁて、領主邸 領主邸っと」
アリスは山の中腹に建つ大きな屋敷を目指して歩き出した。
※
「ごめんくださーい」
「そんな目の前で言わなくたって聞こえるよ」
アリスは緑が生い茂る領主邸の門に到着し、門番の男に入館許可証を突きつけた。
「マルキド正教会ダビデ支部、黒階僧、アリス・SA・リデル殿。確かに確認致しましたぞ。お入りなされ」
「ありがとさん」
ヒラヒラと手を振って敷地内に足を踏み入れるアリス。
レンガの敷かれた道が右へ、左へ、緩やかにうねり屋敷に続いている。右手には白く輝く石膏の獅子が花々に囲まれた噴水から顔を出し、喉奥から涼やかな水を迸らせていた。
左手には半裸の女神像が横たわり、自らの両脇に3人ずつ天使を侍らせている。
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