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 怖いくらい高い所まで登りつめて、どうにかなるかと思うほど。 「や、落ちる!!」  初めてでもないのに、怖くて。  全部欲しいと思ったのは初めてで、  彼にしがみついていないと、自分がどこかへ行ってしまいそうな恐怖すら覚える。 「落ちないよ。ちゃんと支えてるから」  「ちがうのっ、あ、あぁ!」 「那津さん、そんなに締めないで。俺、もっと、那津さんの中にいたい」  いやらしい水音にも掻き立てられて、その音は更に大きくなる。 「ふ、ぁ!!」 「っ!」  彼の汗が、頬に落ちた。
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