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「メタボ…」
私のつぶやきに、立ち去ろうとしていた大船さんの肩が揺れた。
料理人なら、自分のお店の饗した料理のせいでメタボになられたら堪らないはず。
「大崎君!ちゃんとご飯は噛んでる?最低30回は噛まないとダメなんだから!」
「わかってるんですけど。いつも時間がないんですよ」
「じゃぁ、今日はちゃんと噛んで食べて!
こんなに美味しそうなんだから、味わって食べたら、もっともっと美味しくなるわ!」
握りこぶしを作って力説する私は、大船さんと大崎君のほか、お店の中の人に笑われた。
「え、え??笑われるの私!?」
「間違ったこと言ってないんですけど・・・」
それ以上は笑いに押されて言葉にならないらしい。
「そんな風に言っていただいて、料理人冥利に尽きます」
渋イケメンは笑った顔も素敵だった。
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