序章

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「今回ようやく、行方不明だった子供のうち一人を保護することに成功した」  この言葉で聖堂内がにわかにざわめいた。そのざわめきを押しのけて、深谷神父が告げる。 「虚しくもその子はすでに、魔術と科学による二重の改造を施されたあとだった」  さざなみのように広がるざわめきの中、長身の友が少年の手を取った。その手に連れられて、少年は壇上に引き上げられた。  その数年後――もう一人の被験体だった少女が保護され、同じように壇上に上がることになる。
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