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干し肉と蜜石榴を買った店の主が大袈裟な身振りを交えて押しつけてきたのは、砂漠の民の足として重宝がられる四つ足の生き物・ラジムだ。
縮れた茶色の体毛に覆われた体は大きく、背にはこぶが一つあり、轡と鞍と鐙を装着して乗る。
性質は穏和で従順らしく、常に動物に警戒され、威嚇されるこの男にもすぐになついた。
視界の限り遠く続く砂漠、サシル=アライデル――この地方の方言で“龍の墓場”という意味らしい――の名は伊達ではないなと、ラジムに乗って砂漠に踏み込んでから納得がいった。
骨が細かく砕けて散ったような粗く白い砂は、時折吹いてくる強烈な熱風に乗って容赦なく身を叩く。
借料として小銭は取られたが、あのオヤジの忠告を聞いて良かったようだと、ジューダスは心から安堵していた。
砂漠の過酷な環境のせいだけではない。
枯草色の頭巾付きマントの下から覗くカーレというゆとりのある服と、鞣し革の履き物という出で立ちから、ジューダスが遥か東方からやって来た旅人であることまで見抜いたよろず屋のオヤジは、別れ際にもう一つ告げた。
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