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「アハァハ!いやー私達よく逃げ切れましたね~!」
「…………。」
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ。
「普通捕まるでしょ普通!?冗談でもやってみるモンですねー、脱走っていうのも♪」
「…………いや、あの……」
「ってか、孝さん!アナタ何モンなんですか!?凄かったですよ!カッコよかったですよ!
こう…、警備員の通信機をスパパーンって!鳩尾をドゴォって!!
これから孝さんのこと師範代って呼んでもいいですかぁ!?」
「ああ、あれは『鬼心流』って言って……」
「あーっ!
孝さん孝さん孝さん孝さん!!」
「…………。」
「月ですよ月!!頭の上に月があります!アハァハ!いつもは天井で見えないのに!何で今日は見えるんですかねぇ?」
「…外だからじゃないですか?」
「おほぉ!そうですよ!ここ外ですよ!もう私は自由!私自身が自由の体現者!
今すぐ自由の女神のモデルを私に替えるべきですね。ん?でも孝さん。女神にとって、あの状態は果たして自由と言えるんでしょうか?
あんなバッキバキに固められて尚、自由の象徴だと言う辺り、価値観の相当偏った女神なのではないでしょうか?
ちょっと引きますね…」
「………………。」
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ。
「しかしまぁ、あれですね。
これが所謂、シャバの空気ってやつなんですかねぇ?
確かに何か、草やら葉っぱやらシャバシャバって音たててますけど、何かイメージと違うのは何故なんでしょう?」
「あのぉ……」
「はっ、そうです忘れるところでした!外にでたら言ってみたかったセリフがあったんです!
言っちゃおっかな~♪
今言っちゃおっかな~♪
よーし言っちゃおーー!!
『アニキ、お勤め御苦労様でした!』。キャー言っちゃった~!って、あれ?これ立場が逆……」
「あのぉおぉ!!!」
ザザッ、
孝は歩みを止め、背後にピッタリ付いて来ていた白髪(ハクハツ)の少女の方を見た。
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