第5章 世界はあまりに■■過ぎる

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とある教室の、とある会話。 「ねぇ、聞いた?例の転校生二人、生徒会に入るらしいよ?」 「そんなん知ってる知ってる。んで初日から適正試験だろ?」 「そうそう!それで男の子の方が実戦試験で受けるんだって♪ ちょっと見に行ってみない?」 「実戦試験ったって、どうせ二年の久芳あたりでお茶濁すんだろ?久芳なら万が一でも保険効くしな。」 「ううん、それがさー。今回は何か会長さんも気合入れてるみたいでー、割と真面目に試験するっぽいよ?噂だけど。」 「え、マジ?っつってーと、相手は三年の宇留間かな~?」 「えー、姫色さんかもよ?」 「アイツがこういう行事に顔出すワケねぇじゃん。消去法で宇留間確定。」 「あ、そっか。まぁそだよね~?後残りは会長さんと副会長さんだけだもんね~。」 「そゆこと。……っつーかその二人を候補に入れるとか鬼か! そんなん試験って言えねーよ。だいたい、あの副会長の方は……」 ガラララ!バタン! 「オイ皆!大変だ!グラウンドの方見てみろ!」 この教室の生徒の一人が、息を切らしながらドアを勢い良く開いて入ってきた。 「?どうしたんだろ?」 「例の転校生の適正試験……ハァ、ハァ……の、対戦相手、……生徒会副会長の……仙石 拓斗らしい。」 「「「「…………は?」」」」 ……………………。 ………………。 …………。 ザワザワザワザワ……。 神嶋学園・グラウンド場。 俺と副会長は今、試験を行う為にこの場に立っている。 ────のだが。 「あの、副会長……、周りの人だかりはいったい……」 「口を閉じろ、何も喋るな。テメェに許されてんのは『聞く』ことだけだ。 連中は唯の野次馬だ。捨て置けよ、コラ。」 質問しようとしたら副会長は絶賛ご立腹中であった。 疑いようもなく俺のせいだけど。 しかし、捨て置けと言われても……。 副会長に導かれて、グラウンド場に来てはみたものの、予想道理尋常じゃない広さだった。 東京ドーム何個分なのだろう?東京ドームの大きさわかんねぇや。 ここに来てから同じ感想しか吐いてないが、とりあえず広い。 ────で、グラウンドの真ん中辺りまで苦労して辿り着き、ふと見渡せば、いつの間にやらこの人だかりである。
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