第2章 今日は10位なんだ…

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「や、バカって……、そんな子供じゃないんですから……。 あと、割と計画浅いですね……」 あー、完全に想定外だった。 街中とかに建っているもんだと勝手に思い込んでいたから、 敷地から出ちまえば人ゴミとか建物の影に隠れれば大丈夫、っとか考えてたし。いやマジで。 人ゴミみどころか人っ子一人居やがらねぇ。 見渡す限り 木、木、木、木、木、木、木、 木、木、木、木、木、木、木、 木、木、木、木、木、木、木、 木、木、木、木、木、木、木。 え、何これ怖い。 今思えばあの病院、食料とか、他の支給物資は全部ヘリで運んでたな~。 あ、山降りるまで食料どうしよ…… こういう時には、俺の異能は役に立たねぇし……。 「ぜ、絶望的だ……。」 ついには頭を抱え、屈みこんでしまった。 「ア、アハァハ! げ…元気出しましょうよぉ、孝さん。 まだ助からないと決まったわけじゃありませんよ。 とにかく立ちましょう、歩きましょう! ハイ!イッチニー♪イッチニー♪ こうして歩いていれば、偶然奇跡的に幸運にも都合良く山を降りれるかも………………て、あれ?」 「そんな都合良くいくか! 大体、数時間やそこら歩いて抜け出せるような山じゃ………………て、あれ?」 二人は、間の抜けた声を発し、ほぼ同時に立ち止まった。 どこまで進んでも木しかなかった景色がひらけ、そこには整備された道路があった。 「……………マジかよ。」 予想外すぎる光景に、そんな在り来たりな言葉しかでてこなかった。 「ほ…ほ…ほらぁ! 私の言った通りだったじゃないですかぁ!! きっと、偶然奇跡的に幸運にも都合良く最短距離で降りてたんですよ~私達!」 「いやいやいやいやいやいや!! おかしいおかしい!!! そんなレベルの話はとうに越えてるぞこれ!? 夜の山道を何の伝もなく、こんな短時間で抜けれる筈が……」 あまりに御都合主義過ぎりゃしませんか!? 何事も無さすぎだろこれ! 山を抜けたというのに、遭難してた時よりパニックになってしまった。
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