第5章 世界はあまりに■■過ぎる

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「身に着けている物…………その躰にまとっている、ネックレスとかチェーンとかでも有りですか?」 「有りだよ。触れれば文句なしの満点合格、最高評価をつけてやらぁ。」 「…………。」 絶句である。 仮にも実戦を模した試験であるのに、そんなルールで構わないなんて、果たしてそれを実戦と呼ぶのだろうか。 しかも、その比喩無しで全身を飾り立てている、ジャラついた装飾物でもいいという。 むしろ戦ってそれ等に一切触れない方が難易度が高いだろう。 そんなことすら出来ないと踏まれているということは…………その、詰まりは、アレだよアレ。 完っ全にナメられてるってことだ。 俺は今、自分がこれ以上に無いくらいに侮辱されている事を認識した。 「触れれば……」 「あん?」 「触れれば俺の勝ちでいいんですよね?」 「しつけーな。そうだっつってんだろが。何度も言わすなタコ。」 『は~い~、ル~ルの確認も取れましたし~?それでは~私がカウントして~“始め~”と言ったら試験を始めて下さいね~? ではいきます~?“じゅ~”?』 会長が開始のカウントを唱え始めた。 『きゅ~?』 「オイ、転校生。」 グラウンド全体に、会長独特の締りの無いカウントが響く中、副会長は俺に新たなルールを与えてくれた。 『はち~?』 「このカウントが続いている間だったら、この場で土下座すれば許してやらんこともねぇぞ?」 …………へぇ。 『なな~?』 「まぁ、そんときゃあオマエの無様な姿を、あのクソでけぇスクリーンで全校生徒に晒す事になるけどなぁ?クハッ!」 なんだ、そんな事で許してくれたのか。 早く言ってくれれば良かったのに。 『……よん~?』 「さぁ、どうするよ?あと少しで時間切れだぜ?」 『さん~?』 どうするかだと? 決まっているだろう。 『に~?』 それがルールだというのなら…… 『いち~?』 ルールに則った上で、全力で試験に臨むまでだ! 『ぜろ~?はじ……』 「すいませんでしたーーーー!!」 ズザザーー! カウントが止まる。 「……………………はぁ?」
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