第2章 今日は10位なんだ…

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「あ゛ぁ~…、え~…っと、 ダイジョーブデースカー? オケガハアリマセンデスカー? 帰っていいですか?」 「最後だけそんなはっきり!?」 あ、なんかハズレっぽい…。 ちょっと変わった女性のようだ。 近くで見てわかったが、あまり 自分の身なりには無頓着な人かもしれない。 髪はショートだが、前髪は目にかかるくらい長く、全体的にボサついている。 それを直す素振りも見せない。 切れ長の目の下にはクマができていて、どうも健康的には見えない顔色。 こっちの気力まで削がれてしまいそうな程、気だるさを全身から滲み出している。 ……胸はデカイけどな………。 あ、最後のは嘘。 嘘ではないけど。 俺はそんなモノに惑わされるような男じゃねぇぞ?ってことだ。 勘違いすんなよ? …まぁとにかく、総合的に見て、本来あまり関わりあいたくはない人種に入るが、現状そうも言ってられない。 とりあえず、交渉開始。 「あ、あの!お願いします! 俺、行きたいところがあるんですけど、ここからだと少し遠くて……。 その場所まで送れなんて言いません! だから、俺をあなたの車に乗せてくれませんか!?」 「ちょ、孝さん!? その“自分だけ~゙みたいな言い方なんですか! 私をこんなトコに置いていくつもりですか!? そんなの許しませんよ!? 私だって乗せてもらいますからね!?」
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