第2章 今日は10位なんだ…

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「う、腕に抱きつくな!引っ張るな!あと少し黙ってろ。 お前、声高いしデカ過ぎ!耳に響いて後に残るんだよ!」 シロと二人でそんな言い合いをしていたら、目の前の女が口を開いた。 「あ゛ぁ~…、いや、お前ら、乗せる乗せないの前に一つ聞いてもいいか?」 「え?あ、はい。何ですか?」 「…何で患者服なんて着てるんだ?」 女は俺達の格好を見て、至極当然の疑問をぶつけてきた。 あ~あ。 またやっちゃったよ、俺ってやつは。 「っ…!!い、いや~これは…」 「それに、そこの彼女の腕についているのは………手錠か? 見たこともない色だが」 「はぇ?」 ヤバイ…、状況を把握出来てないヤツが約一名いるが、これは非常にヤバイ…! 「あ゛ぁ~…、お前らひょっとしてだが~…………あの病院から脱走してきたのか?」 「っ!!!(くそ、なるべくこういうのは避けたかったが…!)」 孝はその質問を聞くと同時に、姿勢を低くし、一気に距離を詰める。 そして… ズリュリュ。 「……へぇ~…………」 孝ば手首からナイフの刃を生やじ、低い姿勢のまま、女の喉元まで゙ソレ゙を突き上げた。 「車に乗せてくれ。言うことを聞けば、危害はくわえない…」 「おぉ~~!! 孝さん孝さん♪ やっぱそれ、何度見てもカッコイイですねぇ♪」 シロは空気を読もうともせず、 孝の一連の動作を見て、パチパチと手を叩き、感動している。 脅迫のような形になってしまったが、しかしこれで相手は俺達の言うことを聞くはず。 とりあえず乗せてはくれるだろう そう思っていたが、 「あ゛ぁ~…、面白い能力だな」 その女は、喉元の刃に恐れることなく、まるで無防備な状態のまま身動き一つしない。 気だるげな態度を変えず、面倒臭そうに、さらに口を動かす。
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