第0章 患者NO.3350

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NEVLO(ネファロ)患者NO.3350天海 孝(アマガイ コウ)+αの脱走についての報告書 X月X日 23:14 陽皐(ヒサワ)病院・地下廊下にて、巡回中の警備員Aが不審な患者二名を発見。 上部への連絡を試みたが、通信機を患者の一人に破壊され、鳩尾への打突により気絶。 X月X日 23:45 巡回に行った警備員Aの遅れを、怪訝に思った警備員Bが、警備員Aを発見。 意識を戻させ、状況把握。 X月X日 23:50 直ちに警報を鳴らし、総出で捜索に回ったが、患者二名は正門にいた見張り4人を倒し、二名共に陽皐病院敷地外へと逃走。 .     死者0人、負傷者4人 ・捕獲に至らなかった要因の推測 要因1: 患者NO.3350の担当医による誤診。 NO.3350の異能は、データには「金属操作」の念動力系としるされているが、 目撃者の証言から考察し、 「金属生成」の強化系でないかと推測される。 証言にも、「“手錠"をしてるのに関わらず、異能を使った。」という言葉が多数あった。 これにより、“手錠"の効力が効いてなかったと判断。 “手錠"の種類に間違いがあったことは確実である。 要因2: 要因1より、警備員の武装に対する警戒。 データに「金属操作」と記載されていたため、肉弾での捕縛をせざる得なかったと証言。 さらに証言より、NO.3350は異能の他に、何か武術を習得していたと推定。 要因3: もう一人の患者への疑念。 NO.3350と行動を共にしていた白髪(ハクハツ)の少女。 この少女には衣服に患者NO.が記載されていなかった。 それどころか、後日、番号と患者の顔を整理してみたが、そんな患者は存在しなかった。 外部からの共犯者とも予想されるが、可能性は低い。それと、「その少女は、見たことがない“手錠"をしていた」という証言も取れた 以上により、現状に至る。      報告書作成者      副院長 リアス・ヘルラティア
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