第2章 今日は10位なんだ…

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「アハァハ! なんだ、孝さんの早とちりだったんじゃないですか? 孝さんってもしかして思い込み激しいんじゃないんですか? 世界は孝さんを中心に回ってませんよ~? キャー、ハーズカスィーぃいだだだだだた!! ごめんなさいごめんなさい!! 調子に乗ってました! 車より先に調子に乗ってました! 反省しますから、手…手ぇ離して!足地面についてないし! 頭が…潰れる潰れる!! ギブギブギブギブ……!!」 「うるせー、反省してるヤツは、シレッと上手いこと(?)をドヤ顔で言ったりしねんだよ!! そうだよ、言われるよ。 思い込みが激しいってよ。 よく言われるけどなー…お前に言われると無性に腹立つんだよ!」 天海家秘伝、制裁用強制更正奥義 『怒りの断罪(アイアンクロー)』 姉さんしか実際に使うことはなかったこの奥義(主に孝への躾(シツケ)目的)。 まさかこの俺自身が使用する日が来ようとは…… 見ていますか? きっと地獄に落ちたであろう父さん、母さん。 孝はこんなに立派に育ちました。 誉めてください。 「うぉーい、乗るならさっさと乗ってくれ。 私はいい加減に帰りたいんだよ」 気だるさMAXでそんな催促がかかる。 ん、確かに真夜中とはいえ、道路の真ん中で揉めていれば、流石に目立つな。 もう少し、この感慨にふけっていたいものだったが。 致し方ない。 この気持ちは後で日記にでも綴るとしよう。 今優先すべきは一刻も早く、神嶋市市内に身を溶け込ますこと。 どう溶け込ますかはまた後で考えよう(やはり計画性にも難あり)。 さっさと行動に移すが吉とみた。 「少し待ってくれ。今乗らせてもらう」 シロに奥義をかけていた手を離し、車に駆け寄る。 無造作に手を離したものだから、 シロはその場に落ちて、尻餅をついた。
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