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「NEVLO患者の持つ異能を、強化系・転換系・念動力系・特殊系と大雑把に分類し、
強化系 は赤色の手錠。
転換系 は緑色の手錠。
念動力系は青色の手錠。
特殊系 は黄色の手錠。
それぞれの特徴や特性に合わせて効果を発揮するように作り、患者を診察により分類を見抜き、手錠をかける…。」
あまりに拙い方法ではあるが、この体制が確立してから患者の反乱は激減した。
今回の事件は特例といっていい。
「今はこの体制を変える術がない。『現状以上に研究の進行を急げ』、くらいのことならいくらでも言ってやるがな。」
「では、これに関しては現状維持ということで。NO.3350の担当医はこちらで処分しておきます
。」
「一番の問題が…『要因3』だ」
「やはり、地下室の“彼女"でしょうか…?」
「ああ、間違いない。収容部屋はもぬけの殻だった。」
「どうします?『デュナミス』に協力の申請を……」
「ダメだ!」
芹香はリアスの提案を即座に却下した。
「“彼女"の存在が、公になるのは避けなければならない。
あの手錠は特別製。二度と作れる事は無いくらいの完成度だ。破壊など絶対に不可能な代物であるが……、
それでも、もし存在が知られてしまったなら、日本が…いや、世界が混乱しかねない。」
「では………」
「ああ。リアス、『ゲオルギウス』の出動を命じる!
人員、人数はお前任せる!とにかく迅速に“彼女"の確保を!!」
「………」
だが、リアスは即座に返事が出来なかった。
ある点に疑問を抱いていたからである。
「…返事はどうした?」
意を決し、しどろもどろに問いてみた。
「もし、もし仮に…、NO.3350……、天海 孝が“彼女"と行動を共にしていたら、その時は……」
「殺せ」
一切の濁りなく、天海 芹香は端的にそう告げた。
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