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「浮かない顔してどうした?」
「ひぃっ」
ある春の放課後、1ーDの教室の窓から空をぼぉっと眺めていた、橘 陽美は急に声をかけられ、悲鳴をあげた。
一方、声をかけた人物、菊池 瑠衣は呆れた顔をしていた。
ここ夢可(ユメカ)町では有名な進学校の葵衣(アオイ)高校。二人はこの春入学したばかり。お互い出身中学は違うものの、同じクラスで初めての友達だった。あと永野 美沙と碧峯 紗来の二人も友達になった。
さて話は戻り、瑠衣は陽美が何をやるにしても身に入らないことが気になり、今日1日ずっと観察していた。
放課後のこの時間は、部活がない限りさっさと帰ってしまう瑠衣だが、今日ばかりはそうはいかなかった。
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