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やべぇっ!遅刻だっ!!
目が覚めてボォーっと時計を見た俺は、慌てて飛び起きる。
今日は俺にとって一大事な日だってのに、俺ってヤツは……
昨日の夜は緊張とワクワクで寝れなかった。
遠足前のガキかっ!っての……
ってこんな事考えてる場合じゃねぇ。
俺は慌ててシャワーを浴びて身支度をする。
髪をばっちりセットすると姿見鏡の前に立つ。
「うほっ!決まってんじゃねぇか」
鏡に写った俺は、上下ばっちりの燕尾服姿だった。
暫し鏡を見つめ、隣に立つあいつの笑顔を思い浮かべニヤリと笑う。
「うおおおっ!こんな事してる場合じゃねぇっ!!行かなきゃっ」
鏡に写った時計の針に、現実に引き戻された俺は鏡の前で狼狽える。
やべぇな。車じゃもう間に合わねぇ……仕方ねぇ、こいつで行くか……
俺は小さなテーブルに置いてある写真立てと、つや消しブラックのジェットヘルとキーに視線を送る。
写真立てには、バイクに跨がる俺のイカした姿が写っていた。
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