幸せな

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ヘルメットとキーを掴み急いで玄関を出ると、車庫に鎮座するキャンディ・イエローの愛車CB750K2にキーを差し込む。 髪型を気にする様にヘルメットを被ると、愛車のシビ子ちゃんに跨がりエンジンを始動する。 「頼むね。シビ子ちゃんっ」 俺はバイクに向かってそう言うと、いつもの様にタンクを右手で優しくポンポンと軽く叩く。 そして二度ほど空吹かししてゆっくりバイクを走らせた。 大通りに出ると俺はバイクを加速する。 やっぱ、日曜は混んでやがんなぁ……車なら二十分てところだな……だが、俺とシビ子ちゃんなら十三分……いやっ!十分切ったるぜ…… 俺はバイクをかっ飛ばし、家族連れやカップルの乗る車を縫うようにブチ抜いていく。 燕尾服姿でバイクに跨がり、裾をヒラヒラとさせながらかっ飛ぶ俺を、追い抜く車の中や道行く人達が好奇の眼で見つめてくるように感じて恥ずかしい。 見るなら見やがれっ!今日の俺はハッピネースじゃっ!……アハハハハッ…… すると先に目的地のデカイ教会の三角屋根と十字架が姿を現す。 よっしゃぁ、たぶん間に合ったぁ……はず……
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