幸せな

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教会が右手に近づくにつれ俺の心臓がバクバクし始める。 このヘタレぇ!なにビビってんだぁ…… 俺は自分に気合を入れる様にヘルメットを左手でバチンッと叩く。 痛ぇぇっ……痛いよ俺っ…… そして俺はバイクを右に倒し教会の敷地内に入ると、フルブレーキをかけてバイクを止める。 バイクから飛び下りると、俺はマッハで駆け出す。 周りにはもう式に来た奴らは居ず、シーンと静まり返っている。 俺は、教会のデカイ木の扉をゆっくりと押し中に入る。 すると来客はみんな静かに前を見つめている。 「いやぁ、すまんすまんっ……ちょっと遅れたか」 みんなの視線の先には、誓いの言葉が終わり新郎の隣で満面の笑みをした娘、凛(りん)の姿があった。 俺はそっと二人に近づいて行きながら、席に座る来客の奴らを見渡す。 「よお、お前らも来てたのか……ありがとな……」 俺は昔の仲間を見つけると、声をかける。 「ありがとう……ありがとう……あっ、凛のお友達かなぁ?ありがとうね……ありがとう……」 俺は一列一列、凛の為に来てくれた人に礼を言って頭を下げた。
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