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私が傘をゆっくりと閉じるのに合わせるかのように、雲間からそっと日が射して、辺りを彩った。
都への道のりはとても寂しい景色だった。しかし明るく照らされた木々の緑は、今ではきらきらと雨露に輝いて私を祝福してくれているように見える。
「ああ、荷など捨てて駆け出してしまいたい! そしてこの感動を早く誰かに伝えたい」
私は天涯孤独な旅人であるというのに、たまにとても人恋しくなる。それはいつも決まってこのような素晴らしいひと時なのだ。
やがて都の華々しい景色が眼前に広がり、人々の生活の音が近づいてきた――。
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