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『お母さんっ・・・死んじゃヤダぁ~っ!!』
『あなたは、生きなさい・・・葵』
ーそれから11年後ー
AM6:45
『葵~そろそろ起きなさい』
周囲を山に囲まれ商店街まで5分程かかるその場所にこの家は建っていた。
『ふぁ~おはよ』
目を擦りながら居間にやってきた葵、テーブルには朝食が準備されていた。
『お兄ちゃんは?』
『ついさっきバイトに出たわよ』
葵にそう言いながら味噌汁をテーブルに置いているのは、
「藤澤香奈」年齢は27でこの家の娘
『今日はやけに早かったんだね、全然気づかなかった』
伸びをしながらテーブルに座る。
『だぁ~今日は実に良い天気だな』
『荘一さんおはよ~』
『あら、お父さん今日は目覚めが良かったんですね』
『いつもお前に起こされるわけにもいかんだろ、この歳だしな』
障子を開けて入ってきたのは「藤澤荘一」歳は48でこの家の大黒柱であり、有名な書道家でもある。
『今日は2時から書道教室でしたよね?』
『そうだったな、さて・・・今日は何の言葉にするか』
『あそこの書道教室で習うと字が綺麗になるんですって!』こんな口コミで瞬く間に人気になった道家教室、姿勢や基本的な筆の持ち方までしっかりと教えるので自然と日常生活にも影響が出て来る子もいるんだろう・・・と思う。
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