3人が本棚に入れています
本棚に追加
事件当時、葵は犯人から首を深く切られながらも兄と共に奇跡的に助かり今に至る。
葵達が住んでいた家は犯人の放火により全焼し、今は空き地になっている・・・
ー私立神嶺高等学校・校門付近
「おはよ~」
「なぁ、昨日の理科の課題済んだ?」
「げっ!!忘れてたし・・・」
登校してきた生徒達の会話があちこちから聞こえて来る中、んーっと背伸びしながら葵は生徒玄関まで歩く。
「(楽しみだなぁ、ケーキ♪)」
「おはよ葵!」
ケーキの事で頭が一杯の葵の肩をポンっと叩きながらクラスメイトの美咲が話しかける。
「おはよう~♪」
「朝から随分とご機嫌ね・・・あ、今日は誕生日か!」
パンと手を叩きながら美咲が話す
「お兄ちゃんにケーキ頼んだんだ♪」
「チョコケーキでしょ? 葵はチョコの類大好きだからねぇ~」
「いや、ティラミスケーキだけど?」
「ティラミスもあんたの好物じゃない!?」
ハハハッと笑いながら2人で玄関に入り靴から上履きに履き変える。
『新城美咲』高1の時同じクラスになり中身が大人な2人はすぐに意気投合、仲の良い友達である。
「そういえば、隣のクラスの薫が葵に相談したい事あるって」
「また~? 100%当たる訳じゃないんだけどな・・・」
「少なくとも外す事はないでしょ?」
「外すしたら外すしたで、何か言われそう・・・」
最初のコメントを投稿しよう!