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電話を切って、一つため息。
エリと話して少しは不安と怒りはほぐれたものの、まだまだテツの様子が気になる。
デートの途中にテツが急用で抜けることはこれまでも度々あったが、いつも連絡がくるまで不安で仕方がないのだった。
切ったばかりの電話でもう一度テツの名前を探す。
RRRRRRRRRRR……
いつまでも鳴りやまない 機械的な発信音。
怒りと不安の感情が徐々に切ない悲しみへと変わっていくごとに、メイの目からは涙が溢れていた。
「いつでも電話出てくれるて約束だったのに………。テツのばかぁ…。」
メイは鞄めがけて携帯を放り投げた。
ボンっ
そのままソファに座り込んで、一人で泣いた。
一通り泣いて少しすっきりしたメイは
涙で崩れたメイクを直そうと鞄を取りに立ち上がった。
ブブブブッ…
鞄に上手に乗った携帯が、待ちわびた音を上げた。
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