6人が本棚に入れています
本棚に追加
駅前広場に着くと、待ち人やビラ配り・路上ライブ、またそれに足を止め聞きいる人達でとても賑わっていた。
メイはステンレス製のベンチに腰掛けると、バックから携帯を取り出した。
代わり映えのしない画面を見ながら、メイは大きなため息をついた。
どうやらテツからの連絡はまだきていないようだ。
(テツ大丈夫かな…なにもなければいいけど。)
願いを込めてもう一度電話を鳴らすが、結果は同じだった。
頭の中を嫌な妄想が巡り、また涙が出そうになり下を向いた。
(胸が苦しい…どうしてこんなに好きになったんだろう。テツの声が聞きたいよぉ…。)
「お待たせ!」
聞き慣れた声に反応し顔を起こすと エリの優しい笑顔がそこにあった。
「また泣きそうな顔して!テツ君から連絡あった?」
メイは小さく首を横に振った。
エリとの合流で少しは気分がマシになったものの、連絡の取れないテツが心底心配で笑顔が作れない。
いつもは普段から底抜けに明るいエリに負けないくらいのメイだったが、今日はどうしようもなく負のオーラが取り巻いている。
最初のコメントを投稿しよう!