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「大丈夫、忙しいだけだって!落ち着いたらきっと連絡くるよ!ね?」
「そうだね…」
「そうだよ!ほら立って!スイーツ食べいくよ♪」
同い年ながらお姉さん気質のエリは、メイの小学校からの友人だ。
背も高めで大人っぽいエリは、ふわふわした可愛らしいメイとは対照的だが
雰囲気がよく似ている二人が一緒にいると姉妹に間違われることも多かった。
いつも「お姉さんですか?」と聞かれるエリは不満そうだが、年齢確認が必要なときは顔パスでいけると自慢していた。
(エリが来てくれてよかった。一人でいたら暗くなるだけだもん。)
「うん…いこっか!」
エリはニコっと笑うと
メイの腕を引っ張り地下街にあるお気に入りのスイーツカフェへと歩き出した。
広場からほんの少し離れると小さな路地があり、飲み屋や飲食店が所狭しと立ち並んでいる。
そこを抜ければ地下街へと続く階段があるのだが、地上の暑さから避難したチャラそうな若者達が3人で階段を遮っていた。
色白で可愛らしいメイと大人びたキレイなエリは、二人で街を歩くと声をかけられることが多かった。
人見知りなメイは声をかけられる事が苦手だったので、一喝してナンパ男を蹴散らしてくれるエリがとても頼もしかった。
「ちょっと、通れないからどいてくれる?」
いつものように、エリが突破口を開いた。
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