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Pm12:30 駅前広場
駅前に、とぼけた男が一人。
(うっわ、また遅刻!…怒ってるかなー)
寝坊したせいで寝癖も直せなかった頭をいつものキャップで隠して、オーバーサイズめのTシャツにワークパンツ。
スケボーはさすがに乗ってこなかったものの、いつものスケーターファッションだ。
デートだからといって特別
洒落込むわけではない。
至っていつも通りなわけだ。
夏休み期間真っ最中の駅前広場は、
沢山の若者で賑わっている。
(駅にはついたけど…人多くてどこかわかんねぇな…)
キョロキョロあたりを見回すと、自動販売機の前に見覚えある後姿を見つけた。
明るめの長いキレイな髪によく似合う
花柄の涼しげな半袖ワンピース。
あれは俺が彼女の18才の誕生日にプレゼントしたものだった。
「めーぇちゃーん、お待たせ!」
振り向くと、俺に気付いた彼女が拗ねた表情で言った。
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