195人が本棚に入れています
本棚に追加
/254ページ
――――――――
――――――
この世界は7つの大国によって大きく分担、統治されている。
そしてココは海沿いの砂漠地帯にある、これといった特色もない小さな国…アルリスタ国。
ちなみに、ここは7つの大国の内の1つ、“ガルティナス王国”の領地で、経済破綻や過疎化などといったトラブルもないいたって平和きわまりない小国だ。
「こぉらぁぁぁぁあっ!まちやがれぇぇっ!!」
鼻をくすぐる甘い蜜の匂いを発する果実、色鮮やかな野菜、豊富な種類の肉や魚といった食材がズラリと並ぶ、朝の市場に怒声と共にドタドタと騒がしい足音が響き渡る。
その足音は2人分。
1人は頭が額からハゲかかり、こめかみ辺りの血管を破裂するのではないかと心配させるくらい浮かび上がらせている、小太りの男。
アルリスタ国の民の中には、彼が果物売りということに即座に気付く人もいるかもしれない。
果物売りの男の走り方は体の重さをそのまま表した様なドンクサイ走り方、更にはその調子で誰かを必死に追いかけている。
最初のコメントを投稿しよう!