夜と雪

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「お待たせ・・・・・・っ!? ・・・・・・月っ・・・・・・!?」 扉の向こうにいたのは、二年間諦めよう、忘れようとしていた存在。 そして、さっきまで思い出し、会いたいと願った存在。 『桃夜 月』 何で・・・・・・ どうして・・・・・・ どうやって・・・・・・ 色々な疑問が頭の中に流れる。 「・・・・・・恫冴っ・・・・・・」 俺の名前を呟き、月が俺の胸に飛び込んで来た。 驚いたな・・・・・・、まさか月がこんな大胆なことをするなんて・・・・・・。 二年前の月は、消極的で目立つことをしなかった。 キスをしたときも、俺が半ば強引にした記憶がある。 「月っ・・・・・・いきなりどうしたの?」 できるだけ優しく月の体を抱き返し、耳元で囁く。 二年前と変わらぬ月の匂いが鼻を、心をくすぐる。 「バレンタインの・・・・・・、チョコを・・・・・・届けにきたの・・・・・・」 その言葉に、俺は我慢できなくなった。 きっと月も二年間、想っていたんだ。 そう思うと月を抱き締める力が自然と強くなる。 ああ・・・・・・この匂い、感触、声 全てがどうしようもなく、愛しい。 月、やっぱり俺は、君のことが大好きだ。 君を諦めるなんてできない。 忘れることなんてできない。 だから、俺は君に――――
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