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東京駅に降り、少し驚く。
青森の生活に慣れたせいか、人の多さに一瞬気圧された。
青森じゃ、駅はガラガラだったからなぁ・・・・・・。
チラ、と腕時計を確認する。
まだ、待ち合わせの時間には早いな。
少し時間潰しするか。
どこか、カフェでも見つけて入れば良いか。
カフェの二、三件くらい探せばあるだろ。
カフェは意外とあっさり見つかった。
店内は意外と空いていて、席に着いて直ぐ注文を取る。
「コーヒー・・・・・・いや、やっぱりココアで」
月が大好きだったココア。
デートのとき、よく一緒に飲んでいたことを思い出し、久し振りに飲もうと思った。
懐かしい、甘い香り。
その甘い香りに包まれながら、ゆっくりとココアを冷ます。
友人達に、冷まし過ぎと言われたこともあるが、こればかりは仕方ない。
温い程度まで冷まさないと飲めない猫舌なんだから。
そういえば、はじめてデートしたときは月に笑われたっけ・・・・・・。
何度も温度を確認してる姿が面白かったらしい。
しっかりと温くなってることを確認し、口に運ぶ。
「・・・・・・うん、美味しい」
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