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待ち合わせ場所は、高校の校門。
俺と月が出会った場所。
なんとなく、デートするならここから始めたいと思った。
ふ、と校舎へと向けていた目を背後へと移す。
「恫冴っ」
大好きな彼女の笑顔。
それを見て、実感する。
また一緒に歩けるのだと。
二人で、やりたいことが一杯ある。
行きたい所が一杯ある。
高校時代のように
映画館やカフェでのお喋り
ドライブもしたい
ネズミーランドにも行きたい
ちょっと高いレストランも良い
考えれば考えるほどに、やりたいことが思い浮かぶ。
でも、今日の最後に行く場所は決めてある。
「じゃ、早速行こうか」
彼女へ、手を差し出す。
それに応えて握る、小さくて柔らかい彼女の手。
高校時代に慣れたと思ったけど、久し振 りに握る彼女の感触は、俺の心臓を早鐘のようにさせた。
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