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デートはぎこちなく始まった。
まるで、付き合い始めたばかりのように。
互いに想い合っていても、やはり二年という月日の溝は確かにあった。
でも
バレンタインの話
お返しで作ったクッキーの話
高校時代の思い出話
友人達の話
春から東京に住む話
月が独り暮らしを始めている話
互いの大学についての話
ムカつく先生の話
就職した仕事についての話
月がどれだけ猫耳が似合う話
話せば話すほど、月との間にあった溝が埋まっていった。
時間はあっという間に過ぎていった。
そして、最後に行きたかった場所へ来た。
二年前のデートで来た公園。
あの日、キスをした場所。
自然と、あの日の立ち位置で止まる。
向かい合わせに立つ。
一つ、息を大きく吸う
「月、君に伝えたいことがある」
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