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「今日どこ行くの?」
車に乗せた莉南がワクワクした声で言う。
「秘密。着いたら分かる」
「フーン…
じゃあ出発っ」
マンションから30分ほどの病院。
駐車場に車を停めて莉南の手を引き建物に向かう。
建物を見上げた莉南が顔を強ばらせ足を止めた。
「裕くん…ここって。
ヤだ!行かない!」
真実を知るのが嫌なのか子供のように駄々をこねる莉南。
「俺は、心配なんだ…
毎日不安でゆっくり眠れないほど莉南が心配で仕方ない…」
初めて莉南に弱みを見せた時だったね。
これが最初で最後だと俺は心に誓った。
俺の気持ちが理解できたのか莉南は俺の腕を引っ張って眼科に向かった。
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