ラダ学園

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「今日は実践的なことをする」  ゴリマッチョ。岩石のような筋骨隆々の体躯。浅黒い肌にスキンヘッド、地学講師のレド・ユド先生だ。  低く、地鳴りを思わせる響きある声で放たれた実践的という言葉に、僕は正直困っていた。  地学は、マルミラに学べなかったのである。だから地学は、かなり不得意科目に分類されていた。自分でも勉強、予習復習もしてみたものの、やはり数ヵ月そこらでは、何年と経験を積んできた他の生徒達に及びもつかない。 「まず二人一組になれ」  最悪だ。  マルミラを通じた友達がいる他の講義ならまだしも、この講義にはそれほどの知り合いはいない。いるにはいるが、やはりもっと他に組みたい相手もいるだろうし、マルミラ親衛隊のメンバーも何人か潜んでいて、ちょっとした敵対視もされている。なにより僕はずぶの初心者。二人一組どころか、質問すら次元が違う。やはりマルミラが例外的なのだ。
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