ラダ学園

14/34

872人が本棚に入れています
本棚に追加
/739ページ
「今から、これまで地学で学んだすべてをしてもらう。これから石を配る。こいつは金の鉱物を微量に含んでいる。ここから金の構成を読み解き、石を金に変えろ。見た目の変化ではなく、石そのものの構成を変えるんだぞ。方法は各自考えろ。制限時間は30分だ」  そう言うと、先生は石を取り出し、一瞬で金にしてみせた。  石を金に。  簡単なようでいてこれが難しい。  金の構成、つまり何から金が作られているかを理解し、石の構成と置き換えなければならない。金の構成要素の知識、構成を置き換える技術力、なにより金は繊細なのだ。構成そのものが不安定で、いくら構成を置き換えることに成功しても、それをうまく固定化させられなければ、金は金としての存在を保てない。金はある決まった形でなければ金であることはできず、それ以外の形になると一気に炭化する。一度炭化したらもう金の要素はなくなってしまう。
/739ページ

最初のコメントを投稿しよう!

872人が本棚に入れています
本棚に追加