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気にはなってはいたんだ。猫耳だなんだと、正にあいつ向きのイベントだというのに、どうしてここに参加していないのかと。
「参加してたどころか、何の因果で猫耳の手先に……」
参加していたどころじゃなかった。どっぷり肩まで飲み込まれてるじゃねえか。
遠くに視線を向ける。
よく見れば黒フードの一人のフード部分から、金色の髪が覗き見えている。
うわっ、やべー、超どうでもいい。
と、僕たちが視線を向けていることに相手の黒フードも気づく。
「ふふふふふ……、ははははは!」
不快な笑い声。
認めたくはなかった。けれどこんなに不快で、こんなに悪寒がする声色は、滅多にない。
「いよいよ私の出番のようだな!」
黒フードの一人が、自分のフードに手をかける。
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