死番虫バルカロール

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「猫耳少女よ」 「えっ、あ……、はい」  ビビり気味に返事をするチャンタクさん。僕の後ろに回り、服の裾を掴んでいます。かわいい。  チャンタクさんの、動転のあまりの失言などまったく意にも介さないといった様相で、チャンタクさんに向けて、いやむしろ周りの風景などに一切関心を向けずただ一点にチャンタクさんだけを見て、バドは眼鏡をくいっと持ち上げる。 「可愛さを引き立てるために用いられるべき道具と言えば、君なら何を想像する?」  いきなりする質問じゃない。仮にいきなりじゃなくても、する質問じゃないけど。  まったく空気を意識することのない、ある意味で澄んだ瞳。その瞳にはいったい何が映っているのか。曇りなきその眼光は、あらゆる障害を払いのけ、ただ一筋にどこかへと注がれている。
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