死番虫バルカロール

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「最後に質問させてください」  僕は手を挙げる。  あちらはあちらで片がついたようで、なにやら妥協案に落ち着いたらしく、消化不良な顔でテテさんがぬるりとやってきた。 「誰が出るのかは相手にわからないようになっていますか?」 「真ん中に仕切りを作って、互いにわからないようになる仕組みを採用してる」 「貴方は覗き見たりしないんですか?」 「しないよ。私もあっち側だからね。それに判定は私が下すんじゃなくて、もっと別に審判がちゃんといるから。それじゃ失格になっちゃうよ」 「真ん中の足場にはどう移動するんですか?」 「仕切りが出来たら、下から他にも小さな足場がいくつか自動で浮上してくるようになってる。同じように真ん中の足場も、例えば崩落しても、予備の足場がすぐ浮上してくる仕組み」 「ありがとうございます」  よし、これだけわかればあとはおーけいだ。
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