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「我に秘策あり、といった表情だねえ。君のさっきの言葉は信じてもいいのかい?」
「ええ、とりあえずこの大会に関しては」
クルウさんは、自信ありげだねえこのこの、と肘でつつく。
「毒、爆弾、火」
「よりどりみどりね」
怪しげな物品を手にラナ姉妹が奨めてくる。
すみません使わないです。
大変なことになったもんだ。本当なら今ごろ家に帰って、あのグータラといっしょにごろごろして、だらだら日々をすごしていたはずなのに。僕ってやつは、どこに行っても厄介事とは腐れ縁らしい。陳腐な縁なんだか、腐敗した縁なんだか、わからないけれど、そんなちゃちい縁なら御免被りたいんだけどなあ。
まあたまには、こんな馬鹿騒ぎも悪くないか。
僕は深呼吸をする。
「作戦はこうです──」
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