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ずっと俯いていたし、教科書で顔を隠されていたからはっきり見えてなかったけど、可愛い。
「私、イム。イム・チャンタク」
そう言ってチャンタクさんは、また笑ってみせた。
マルミラは美人だけど、この少女は正しく可愛い。くりくりと丸くい瞳、内巻きのボブカット、深い藍色の髪。惜しむらくは、前髪が長く、顔が隠れてしまっていることだ。
「チャンタクさんか、改めてよろしくね。ちょっと待ってて」
僕はリュックをまさぐる。
「えーっと、確かこのあたりに……、あ、あった。はいこれ」
「……え?」
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